Talk:Encyclopedia of Godzilla (Mechagodzilla Edition)

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Excerpts...


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1954年、暗闇にひとつの咆哮が谺した。水爆実験という人類の狂気のため、はるかジュラ紀より甦った2億年前のその黒い悪夢は、小さき島の会説に倣って「ゴジラ」と命名された。一度は東京湾の海底にその命を絶ったかに見えたゴジラは、ほどなくより強大になって我らの前に立ちはだかり、爾来、「史上最強の生物」として数々の新たな会説を人類の歴史に刻、お続けてきた。

[paragraphs]

—その時、新たな地平の彼方から、もうひとつの咆哮が谺した。時あたかも74年、ゴジラ初登場から20年目に復活した怪獣王は、あろうことか銀色に輝く体表に包まれていた!


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米国の怪獣王として、また爬虫類に対する哺乳類としてのキングコング、完全なる「善」としてのモスラ、形ある怪獣の最高峰としてのキングギドラ、そして形のない怪獣としてヘドラ。ゴジラの個性を際立たせるライバルをことごとく退けてきたゴジラにとっても、もはや対決すべき相手は「己自身」—すなわちゴジラしか残っていなかった。ブラックホール第3惑星人は、地球征服のための究極の略兵器として「地球最強の生物」ゴジラを自らの手で復元してみせた。超金属スペース・チタニウム製、全身これ武器の塊、不死身の大怪獣メカゴジラの誕生だ。一切の感情を拒絶し、痛みも嘆きもためらいもんく、動かなくなる最後の瞬間まで、ひたすら進撃し破壊し続ける戦鬪マシーン。その冷たさ、恐ろしさ、狂気、憎らしいまでの強大さ、徹底した悪役ぶり。—だがそれは、実は20年の歳月の中でゴジラが失ったゴジラ本来の属性そのものだった。

富士の裾野から進撃してきたゴジラと対峙するもう1頭のゴジラ。炎の中に焼け落ちたのはゴジラの形骸、現れたのはゴジラの本質。ゴジラがすでにゴジラでなくなっていた時、ゴジラを復活させる唯一の手段は、実はゴジラを葬り去ることだった。何という運命の皮肉だろう。あたかもそれは陰と陽、正と負、天と地、光と闇。森羅万象に潜む2つの極点のように対立し、補完し合うゴジラの反(ネガ)ゴジラ。世紀末ブームの吹き荒ぶ74年、両者が最強を賭けて激突するのは、もはや当然至極の宿命であったといえようか。


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ロボットは生物ではない。したがって「怪獣」が生物であると規定すれば、その範疇からロボットは逸脱することになる。しかし、破壊力の凄まじさ、威圧感、重量感多彩なフォルムなど多くの点で、巨大通じる魅力を十分具えている。そこで何等かの生物をメカニックに置き換えたものに限り、「ロボット怪獣」の称号を与えても良かろう。

ロボット怪獣の歴史をひもとけば、多数を占めるのは「人間(巨大化)型ロボット」であり、「生物模倣型ロボット」は意外に少ない。64年までの時点に限れば、モゲラ、メカニコング、宇宙竜ナースなどがあげられる。怪獣デザインの面から見ると、モゲラは簡略化デフォルメの極致、メカニコングは独創的デフォルメの手体、ナースはもはや抽象芸術、とそれぞれ確固たる地位を築いている。しかし、モチーフとなる生物の原型が損なわれないようにデフォルメされ、しかも全身を金属調の縫いぐるみで置き換えた怪獣というものは、メカゴジラの登場までほとんどなかった。